●7月のある日、
外来に来た患者さんを診察し、
虫垂炎を疑ってk中央病院に搬送した事がありましたが、
その方から昨日、

感謝の電話を頂きました。


40台女性の方。
「お腹が痛い」と受診され、37度台の微熱でした。
まだ右下腹部痛ではなかったですが、
虫垂炎も視野に入れて幾つかの所見を調べました。
「虫垂炎疑いではこれを調べよ」という項目が幾つかあり、
その2つ程度が当てはまりました。
  (診断項目には無いが参考となる身体所見も調べてすべて陰性)
虫垂炎診察での「2程度当てはまる」では、
積極的に「虫垂炎らしい」とまでは言えません。
まだ所見が出そろわない(これから他の所見が出てくる)のかもしれないし、
そもそも虫垂炎ではないかもしれない。
ゆえに治療するかどうかも否定的で、
こういう場合は
翌日まで様子見る、
というのが一般的です。

しかし、なんとなく予感がして、
2次救急→K中央病院に相談したら、
(根拠不十分だったが)受けて頂き、
搬送できました。
話ではその日点滴治療が始まったものの、
結局は日が変わらずに手術されたとのこと。

多分「メープルさんが早く見つけてくれた」と思ってくれたんですね✨
ま、感謝してくれたから、良かった。
😊




虫垂炎、症状発言の順番


症状が出る順番、痛みが右下に移動することなどは、
特に重要な所見で、
必ず確認する。




●実は
この日の4日前、
40歳代の女性が下腹部痛で来院した。
虫垂炎を疑うのは当然として、
いろいろ診察したが、
発熱すらなく(36.4度)、
所見は全くそろっていなかった。

そのため、
1.明日まで経過観察するのが重要だ、
  必ず明日に受診が必要(明後日ではない)
  (翌日はこちらの休診日で、消化器内科に受診してください、と指示した)
2.症状の変化で重要なのは痛みの移動、悪化である
と強調して、帰した。
ところが。

この日の夜に痛みがひどくなって救急車を呼び、
K中央病院で緊急手術したとのこと。
こちらが気になって後日電話したら、
「もっとよく診て下さい」とご立腹されていた。

でも、診察した時点では、所見が全く足らなかった。

このように急な経過をたどるのは子供に多い
(そのため小児科では親が「見逃しだ!」とクレームを言いに来ることがよくある)。
しかし、虫垂炎は診断自体が難しい。
更に、診察した時点で将来のことまではわからない。

((+_+))






虫垂炎 治療方針 東邦大大森病院




東邦大医療センター大橋病院での治療方針。
緊急でなければまずは抗生剤で炎症を押させることが考慮される。